2008年09月19日
コロナ製品回収 丁寧な対応が信頼を生む
コロナ製品回収 丁寧な対応が信頼を生む
失敗もその後の対応で マスコミの取り上げ方も違ってきますね
企業が最優先すべきは顧客の安全・安心である。その責任を果たしたということなのだろう。
暖房機器メーカーのコロナ(三条市)が一九八七−二〇〇〇年に製造した石油ストーブやファンヒーターの給油タンクから灯油が漏れる恐れがあるとしてリコール(製品回収)を実施すると発表した。無償点検、修理を行う。
対象となるタンクは「よごれま栓」だ。この給油口を長期間使うと変形して確実に閉まらず、灯油がこぼれることがあるという。
二〇〇〇年までにこのタンクを使った石油ストーブ二百九万台、ファンヒーター四百二十七万台が製造された。タンクの総数は六百三十六万台、リコールの費用は一億円前後を見込む。
背景にあるのは昨年十二月に京都府で発生した火災だ。経済産業省によると、石油ストーブに使われたこのタンクの灯油漏れが原因の可能性が高いという。ほかにも同じタンクのストーブやファンヒーターが火元とみられる火災が昨年五月以降、七件起きている。コロナは「原因が究明されたわけではなく、製品に欠陥があると考えたわけではない」(広報室)とする。しかし、本格的に暖房器具を使う季節も近いため、万全を期して注意喚起とともにリコールを行うことにしたという。
ストーブなどを消火せずに給油するという誤った使い方が火災を招いた可能性も指摘されている。こうした中でリコールにまで踏み切ることにはためらいがあったかもしれない。にもかかわらず決断した。コロナは地場の大手企業であり、石油暖房器具製造で長い歴史と自負を持つ。だからこそ、今回のリコールの意味は小さくないと受け止めたい。
ただし、現状はトラブルを心配する消費者への窓口を整えただけだ。問われるのはむしろ今後だろう。ユーザーから寄せられる要望や疑問に丁寧に応じてこそリコールが意味を持つ。
パロマ工業のガス湯沸かし器事故は社会問題化し、企業の責任が厳しく追及された。この問題などをきっかけに製品事故に対する行政や消費者の監視が強まった。昨年五月には政府が重大事故の公表制度を導入している。
この結果、リコール件数は大幅に増えた。〇七年は過去最高の百九十四件に上り、〇二年の五倍となった。コロナの対応はそうした時代の流れに沿ったものともいえよう。
もはや企業のブランド力だけで消費者の信頼をつなぎ止めておける時代ではない。トラブル発生時に顧客の目線に寄り添い、的確に対処する。危機管理能力も社会が企業の信頼度を測る物差しである。企業価値は一瞬で崩壊することを肝に銘じたい。
[新潟日報9月19日(金)]
失敗もその後の対応で マスコミの取り上げ方も違ってきますね
企業が最優先すべきは顧客の安全・安心である。その責任を果たしたということなのだろう。
暖房機器メーカーのコロナ(三条市)が一九八七−二〇〇〇年に製造した石油ストーブやファンヒーターの給油タンクから灯油が漏れる恐れがあるとしてリコール(製品回収)を実施すると発表した。無償点検、修理を行う。
対象となるタンクは「よごれま栓」だ。この給油口を長期間使うと変形して確実に閉まらず、灯油がこぼれることがあるという。
二〇〇〇年までにこのタンクを使った石油ストーブ二百九万台、ファンヒーター四百二十七万台が製造された。タンクの総数は六百三十六万台、リコールの費用は一億円前後を見込む。
背景にあるのは昨年十二月に京都府で発生した火災だ。経済産業省によると、石油ストーブに使われたこのタンクの灯油漏れが原因の可能性が高いという。ほかにも同じタンクのストーブやファンヒーターが火元とみられる火災が昨年五月以降、七件起きている。コロナは「原因が究明されたわけではなく、製品に欠陥があると考えたわけではない」(広報室)とする。しかし、本格的に暖房器具を使う季節も近いため、万全を期して注意喚起とともにリコールを行うことにしたという。
ストーブなどを消火せずに給油するという誤った使い方が火災を招いた可能性も指摘されている。こうした中でリコールにまで踏み切ることにはためらいがあったかもしれない。にもかかわらず決断した。コロナは地場の大手企業であり、石油暖房器具製造で長い歴史と自負を持つ。だからこそ、今回のリコールの意味は小さくないと受け止めたい。
ただし、現状はトラブルを心配する消費者への窓口を整えただけだ。問われるのはむしろ今後だろう。ユーザーから寄せられる要望や疑問に丁寧に応じてこそリコールが意味を持つ。
パロマ工業のガス湯沸かし器事故は社会問題化し、企業の責任が厳しく追及された。この問題などをきっかけに製品事故に対する行政や消費者の監視が強まった。昨年五月には政府が重大事故の公表制度を導入している。
この結果、リコール件数は大幅に増えた。〇七年は過去最高の百九十四件に上り、〇二年の五倍となった。コロナの対応はそうした時代の流れに沿ったものともいえよう。
もはや企業のブランド力だけで消費者の信頼をつなぎ止めておける時代ではない。トラブル発生時に顧客の目線に寄り添い、的確に対処する。危機管理能力も社会が企業の信頼度を測る物差しである。企業価値は一瞬で崩壊することを肝に銘じたい。
[新潟日報9月19日(金)]
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